オミクロン株に対するコロナワクチン4回目接種の効果
ファイザーワクチンとモデルナワクチンの4回目接種の免疫学的効果と安全性に関する研究論文が有名な雑誌に発表されました。
全ての人が知見を共有することは価値があると考えて、私なりに翻訳させていただきました。
イスラエルの健康な医療従事者に対して、3回目の4ヶ月後に、154人がファイザーワクチン、120人がモデルナワクチンを接種し、ワクチンを受けなかった同じ年齢の人と比べた。
4回目接種後、コロナウイルスに対する抗体の総量(役に立つ抗体と役に立たない抗体を含む)、中和抗体(ウイルスの増殖を阻止する抗体)ともに9〜10倍増えた。
ファイザーとモデルナワクチンで差はない。オミクロン株に対する抗体も10倍になった。重大な副作用はなかった。
1週間おきにPCRを行い、ワクチンを受けていない人は25%、ファイザーワクチンの人は18.3%、モデルナの人は20.7%が感染した。
ファイザーワクチンの感染予防効果は30%、モデルナの感染予防効果は11%。
ワクチンを打った人も打っていない人も、感染しても症状は軽いが、増殖したウイルスの量は多かった(他人を感染させ得る)。症状が出ることを予防する効果は高い(ファイザー43%、モデルナ31%)。
対象者の数が少ないこともあり、絶対的な結論が出せるわけではないが、4回目の接種は抗体を作り、安全で、ある程度の効果はある(症状のある発症は防ぐ)。
健康な人にとっては、4回目のワクチン接種は、感染そのものを防ぐ効果は低く、感染すれば他人にうつしてしまう。健康人にとって、4回目の効果は限定的である。老人や基礎疾患のある人についてはなんとも言えない。
という結論でした。これからのワクチン接種の参考としてください。
N Engl J Med 2022;386:1377-1380